VOICE SPIRIT

お客様本位とは何か。

お客様が「ほしい」と思っているものは、

はたして「本当にほしいもの」なのか。

あるいは「真に必要なもの」なのか。

その見極めをしないままに

「はい、つくらせていただきます」とは言えません。

「風邪だから注射してほしい」と患者がいう。

「はい、よろこんで」と注射を打つ。そんな医者はいないはずです。

まず、診察する。

事に当たるのはそれからです。

診察しなければ事に当たりようがない。

お客様のいう「ほしいもの」を提供するのは

そんなにむずかしい話ではありません。

むしろ、ラクです。

「こんなデザインにしてほしい」に対して

「こんなデザイン」を提供することは仕事と呼べないくらい容易です。

ラクしてフィーはいただけない。

 

「お客様が求めるものを提供する」といえば聞こえはいいですが、

それがお客様本位なのかは疑問です。

お客様が求めていても、それが誤ったものであれば

助言させていただかなければならない。

黙認はできない。

誤っているかもしれないと疑いつつも

「注射してほしいというなら注射しましょう」

というのはプロのふるまいとは言いがたい。

2019.04.05